ビスケットの缶

2018年 04月 22日 ( 1 )

犬が島

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 やっと、見たかったウェス アンダーソンの映画「犬が島」見てきました。
なめらかなCGのアニメーションが主流な今の時代に、ストップアクションアニメーションの間合いとシュールな世界観がなんともいえない味わいがあってすてきでした。
 笑わない犬たちの眼、BGMの太鼓の音、日本語のイントネーション、すごくいいですね。主人公のアタリくんの声、とっても好みです。
 日本語を話す人間と英語を話す犬たち。ときにアタリくんの長い日本語のセリフも英語の字幕なしなので、アメリカ人の人はどんな風にうけとめたのかな、と思いますがそういうチャレンジな感じもすごく新鮮です。何から何まで訳してしまうより、言葉のイントネーションから観客たちが想像するのも世界観を理解する上ですごくいいんじゃないかなと思います。バイリンガルのお兄ちゃんと弟くんは、きっと私たち以上に犬と人間と両方の世界を理解して楽しんだのだと思います。いつもはアメリカで映画を見ていると、みんなより遅れて笑ったり、笑いがわからないこともある私たちが、この映画では人間たちが話す日本語で先に笑えたりアメリカ人にわからない部分で笑ったりできる優越感もちょっとうれしくもありました。
 真面目でちょっと抜けている犬たちが実に犬らしくて、愛嬌があります。押しつけがましい動物愛護的なメッセージもなく、純粋に犬の目線を楽しめる、すごくいいなと思います。そして、なんと言ってもウェス アンダーソンならではのヴィジュアルの世界観。古くて新しい、すごく不思議な世界観を見事に表していて、そこここにちりばめられた日本語や日本のシュールなおもしろさにクスクス笑いがこみ上げて楽しめます。本当に日本のことをよく見てる。
 豪華な声優陣に、この人がオノ・ヨーコ!、この人が渡辺謙なの!と発見も楽しめます。
 最近アメリカの映画はリバイバルやシリーズものなど新しいものを感じなかったので、すごく刺激的でインスピレーションをもらう映画でした。
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今日の羽生くん (個人が過去の試合を感想とともに振り返ります。)

2014年 世界選手権 FP 「ロミオ&ジュリエット」


 羽生選手のフリーのプログラムはいつも流れるような(ジャンプの助走で途切れることなく)物語があって、演劇を見ているような気持ちになります。 旧ロミオ&ジュリエットが若さのエネルギーや純粋さを表しているとしたら、この2013-2014シーズンの新ロミオ&ジュリエットはロミオの喜びや深い悲しみの心の内側に光を当てた作品のように思います。
 羽生選手のプログラムの魅力の一つは、(長い助走を必要としないので)ジャンプがプログラムの物語の中に溶け込んでいるところ。 冒頭の二つの力強い4回転ジャンプは、ロミオの情熱的な内面やこれから起こる悲劇を象徴するようですし、中盤のふわっと鳥が舞い降りるような繊細なコンビネーションジャンプは優しく包み込むような愛情を、それぞれジャンプだけでも心情が伝わってくるように感じます。私が好きなシーンは、プログラムのちょうど半分あたりのトリプルループの後の羽生選手が顔を覆うような仕草をするシーン。何気無い振り付けですが、羽生選手の手や首の傾げ方や表情からジュリエットへの深い愛と苦悩が伝わってきて胸が締め付けられます。
 羽生選手のプログラムのもう一つの魅力の美しい楽曲の編曲は、暗雲が立ち込めるような劇的なスタートから始まり、2人が出会い幸せな時間を過ごす有名なメロディー、そして悲劇的なラストへといざないます。物語のアクセントとなるジャンプ、表現力、美しい楽曲、美しいスピン、濃厚な4分半は見応えがあってあっという間に過ぎます。
 この動画の、ソチオリンピックで金メダルを取った直後の2014年の世界選手権の試合で、羽生選手はショートプログラム3位からの逆転優勝を遂げました。(この動画で、試合後解説のサイモンさんも逆転があるかもと興奮気味なのもそういう理由です。)グランプリファイナル、オリンピック、世界選手権の3タイトル制覇は史上2人目という快挙となる大会でした。


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by cinnamonspice | 2018-04-22 05:41 | まいにちのこと | Comments(2)