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ビスケットの缶

バウキスとピレモン

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お正月にも作ったなかしましほさんのレシピの抹茶ババロア、おいしかったのでまた作ってみました。

昨日読んだギリシャ神話にこんなお話がありました。「バウキスとピレモン」というお話で、あるときジュピターとマーキュリーの二人の神様は人間の姿で旅をしていて、疲れてある村で一晩泊めてほしいと一軒ずつ家々を回って行きます。しかし、不親切な村の人々は誰も二人を泊めてくれません。最後にとても貧しい家を訪ねると、その家のバウキスというおばあさんとピレモンというおじいさんが二人を暖かく迎え入れてくれました。とても貧しい暮らしなのに、おじいさんとおばあさんは神様とは知らず旅人の二人にできる限りの心をこめたもてなしをします。手を洗うために温かなお湯を張って、庭で野菜を取ってきて天井に吊るしたベーコンを一切れ切ってシチューを作ります。食べる前にはいい香りのする香草でテーブルを拭いたり、そのもてなしの描写は質素だけれど、読んでいる私たちも幸せな気持ちになるような温かなものでした。最後に神様はバウキスとピレモンを連れて高い丘に行き、迎えてくれなかった村人たちに罰を与えると言って村を湖に沈めてしまいます。(こういう神様が少々手荒いところがギリシャ神話っぽい。)バウキスとピレモンの家だけが残りそこに神殿を建てました。そして、おじいさんとおばあさんに二人の願いを聞きます。二人は、この神殿でお坊さんになって神殿を守るといい、最後は二人仲良く暮らしてきたから、死ぬときも同じときに死にたい、と神様伝えます。神様は二人の願いを聞き、二人はよぼよぼに歳をとってある日話をしていると、体から木の葉が芽をだしてきます。そして木の葉の冠が頭を覆い、二人はものが言えるうちに、
「さようなら、おばあさん」
「さようなら、おじいさん」
と言い終わると木の皮が二人の口を覆いました。
それ以来その二人はボダイジュとかしの木になって立っているというおはなしでした。

「さようなら、おばあさん」
「さようなら、おじいさん」
命が尽きるとき、そう言い合って、一緒に最後を迎えられたら、とてもすてきだと思いました。
by cinnamonspice | 2017-01-21 14:12 |