ビスケットの缶

旅の終わり

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 ミッション巡りは寺巡りに似ていて、一歩その世界に足を踏み入れてみるとどっぷりとその魅力に捕まえられる。そういう埃かぶった、時代に取り残されたような場所に行くとときめくのは、200年前のそこに生きていた人々の息づかいや気配をすぐ近くに感じることができるからかもしれない。はるばるヨーロッパから来たスペイン人たち、元々その土地で暮らしてたインディアンたち。
 ミッションでインディアンの人々はキリスト教を通じて、聖歌から文字を学んだり、レンガやタイルを使った建築技術を学んだり、中庭に果樹園を作って農業を学んだりしていったのだという。そこにはスペインのキリスト教を広めるという目的のもと、領土を広げるという国としての思惑や、宗教を隠れ蓑にミッションの人々をインディアンから守りながら開拓していこうという戦略や、水や物資や労働力をわけてもらう代わりに西洋文化を伝えるという、偉い人たちのさまざまな思惑があったものの、ミッションの人々もインディアンたちも、当時そこで暮らした人々はただただ真面目に毎日と向き合っていたのだろう。

 ミッションがもたらした華やかな成果の影で、スペイン人がもたらした西洋文化とともに失われたインディアンの文化や疫病で失われたたくさんのインディアンの命のことを思うと、やるせない気持ちになる。

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 Mission San Juan Bautistaの墓地に最後の純血のMatsun Indianの部族の女性が眠っているという。そこで途絶えてしまったものがあるという事実を知ると、悲しい気持ちになる。でも、たとえスペイン人たちが来なくとも、きっといずれ失われたものなのだろう。歴史を学ぶということは、そういう失われたものに光をあてるものなのかもしれない。
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 ギフトショップにいたここの看板猫⁉︎のSula。ここのミッションの教会のドアには猫用の穴があって、当時ペストなどをもたらす害獣だったネズミを退治してもらっていたのだという。もしかしたら、そんな祖先を持つ由緒ある猫ちゃんなのかもしれない。


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by cinnamonspice | 2016-01-24 04:22 | Comments(0)