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ビスケットの缶

種をまく

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小人たちが小さいころから少しずつ集めたオーナメント。
ひとつひとつ手にとっては、あれは、あのときの、これはあそこで買ったもの、なんて思い出がよみがえる。

母親について思うとき、いつも農夫のようなイメージを持つ。
母親は種をまく人なんだと思う。
弟小人は学校で「ももくり3年、かき8年」の歌を習っている。
子供たちもそうなんだと思う。
3年で実をつける木もあれば、8年かかる木もある。
それはその木によって違うのだ。
8年かかる木に、3年で実をつけろ、というのは、無理な話。
母親は、農夫のように、冬の霜や夏の日照りから木を守りながら、じっくり実をつける日を待つのが仕事なんだと。
小人も弟小人も、まだまだ小さな苗で、厳しい自然の中ではちょっとのことでも倒れてしまう。
実がならないうちに実の心配をするのではなくて、今は強く冷たい外の北風から守るのが母親の仕事なんだと思う。
実がなっても、ならなくて、かわいい木なのだから。
立派な枝を張る大きな木になってくれればいい。
もし、その枝が誰かに木陰となって役に立ってくれたら、それ以上にうれしいことはない。
母親はそれまで、余計な枝を切り、肥料をあげて、ただただ守ってあげるのが仕事なんだと。
10年母親をやっていて、やっと知ったこと。
by cinnamonspice | 2014-12-10 21:48 | まいにちのこと