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ビスケットの缶

時計

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お友達の主催する、テーブルコーディネートクラスに参加させていただいて、人生初のリースを作りました。
ガラスのボール、シナモンスティック、ユーカリ、木の実…いろんなものをつけていきます。
大きなリースと悪戦苦闘のすえ、なんとか形になりました。
ドアに飾るものだけど、生のリースならではのいい香りをしばらく楽しみたいと思います。

リビングの大きな壁掛け時計が少し前から遅れていた。
何度か電池を入れ替えても数時間すると、遅れはじめる。
時計を買って10年近くなる。Crate and Barrelで買ったものだ。
木のフレームにぬくもりがあって、白い地に黒い数字が描かれた学校の時計のようなシンプルさが気に入っている。直系40センチある、大きな時計だ。
ほかには代えられないものなので、友達おに教えてもらった腕のいいという時計屋さんへ修理に出すことにした。
大きな掛け時計を抱えてお店に行った。お店のおじさんは、
「たぶん、バッテリーの部分を交換しないといけないと思うよ。一週間くらいかかるかな。」
と、言った。
それ以来、時計はない。
朝、起きてリビングへ降りてきたとき、お弁当を作りながら、子供を学校へ送り出すとき、子供をお迎えに行くとき…時計がかかっていたところを一日に何度も見てしまう。
時計があった白い壁の空白がとてもさびしく感じる。
だんなさまに話すとだんなさまもそうだと言って笑っていた。
トク、トクと刻む、我が家の心臓をなくしたような気持ちがした。

時間は不思議なもので、目に見えないし聞こえない。
それを時計は休まずカウントして知らせてくれる。
子供たちが学校へ出かけて何も音がなくなると、大きな時計から、とても小さいけれど時計の秒針がかすかに聞こえる。
心臓の鼓動のように。
キッチンの備え付けの電子レンジにはデジタル式の時計がついている。
でも、秒針の音は聞こえない。青いデジタルの光は死んでいるように見える。
どうも頼りないし、ちょっとうさんくさい。
絶対なる信頼のある大きな掛け時計があってのこのデジタル時計だった。
デジタル時計を見た後、つい、掛け時計があった場所を見てしまう。
ふと、「大きなのっぽの古時計」の歌を思い出す。
時計が家からなくなって、私たちの生活もなんだか止まっているような気持ちがした。

一週間経って、待ちきれない思いでお店に行くと、予想外なことを言われた。
「充電式電池(rechargable battery)を使っているでしょう?」
と。
充電式の電池は、この時計には使ってはいけないのだという。
結局、何も修理の必要はなかったから修理はしていないので修理代はいらない、とのことだった。
拍子抜けするような思いで大きな掛け時計を持って帰った。
時計はもとの場所で再び時を刻み、止まっていた私たちの時間も動き出した。
by cinnamonspice | 2014-12-06 22:00 | すきなもの