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ビスケットの缶

秋の本

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お日さまの光がやさしさを増して、蛍光灯から白熱灯に明かりを変えたように、やわらかい光の下、身の回りの虫の声や落ち葉の音などの小さな音や、木の葉や夕日のわずかな色の変化を敏感に感じるようになりました。
 9月の弟小人の誕生日に、母が本を贈ってくれました。おおきなまあるい月、虫の音、日本の秋を感じる本たち。小さな驚きがこめられた本に、ページをめくるたびに小人たちの歓声があがります。
こおろぎのお話を読んだとき、本の最後、大きくなって女の子のコオロギに会ってこおろぎが初めてリリリ、と鳴いて、もう一度リリリと鳴いたとき、小人が、
「女の子のこおろぎも応えてくれたんだね。」
と、言いました。女の子のコオロギは鳴くのかしら、という思いがよぎったけれど、みんなそれぞれの解釈があっていいのだと思い直して、
「そうだね、そうだね、」
と、つぶやきました。
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もう一冊は「かわいそうなぞう」の本。
小さいころ、兄弟川の字になって横になって、何度も母に読んでもらった本でした。
「最後まで、読めるかな。」という心配は的中して、
途中、涙でのどを詰まらせたママに、小人たちは不思議そうに見ていました。
人間の身勝手さと動物の純粋さ。
「人間はほんとうにいいものかしら、」
という、てぶくろを買いにのお母さんキツネの言葉が胸にこだましていました。

by cinnamonspice | 2011-09-29 02:58 |