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ビスケットの缶

ちいさな町

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小人が折り紙で作った小さな町は大きな木がめじるし。

小人が学校から借りてきたのは、「わすれられないおくりもの」の絵本。
お迎えが来る日が近いことを感じた歳をとったアナグマが、ある日ついに長い長いトンネルを抜けて永遠の世界へと旅立ちます。そのあとに残されたモグラをはじめとした森の仲間たちのことを描いた静かな静かなお話です。
 アナグマが長い長いトンネルを抜けるシーンが、とても甘く美しく、自分の大切な人と重ねてしまい何度読んでもそのシーンを読むたびに胸が苦しくて、目の奥が熱くなります。アナグマが感じるトンネルの心地よさと、トンネルを進んでいくアナグマを引き止めてしまいたい気持ちとが入り混じった切ない気持ちになります。アナグマが森の仲間の胸に残したもの。誰もが迎える「死」。「死」=無くなることではないんだよ。読んだ人みんなに贈り物をくれるそんな絵本です。
by cinnamonspice | 2011-05-19 14:03 |