余韻
「何読んでるの?」
と、横から覗き込む小人に、本のタイトル(“頼むから静かにしてくれ”)を伝えると、ニヤニヤしていました。
最近は、好きな本とのかかわり方が少しだけ変わってきたことを感じます。
好きな空気の本に出会うと、その空気に身を浸している時間が心地よくて、じっくり読むようになりました。すてきな一行に出会ったときは、本を枕の下にしまい静かに目を閉じて、まぶたの中の風景とともにそのまま眠ることも。目を覚ましたとき、その空気から一日が始められるような気がして…
レイモンド・カーヴァーの“Will You Please Be Quiet, Please?”は小さな作品が収められた短編集。大きな事件はないけれど、読み終えたあとにずっしりと心に残るものがあります。読みながら、いろんな心の引き出しを開けてくれる本、それが今の好きな本なのかもしれません。
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また初秋のような涼しい日が戻ってきました。
どんよりと厚い曇り空に、熱いお茶とあられでお茶を。
7月とは思えない陽気です。
by cinnamonspice
| 2010-07-28 09:58
| 本