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ビスケットの缶

Where The Wild Things Are

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日本では「かいじゅうたちのいるところ」として知られる絵本。(少し前に、映画にもなりましたね。)
表紙を開けた中表紙の織物のようなこのかいじゅうの森の絵?のページがとても好き。

生まれて初めて家出をしました。
と言っても徒歩で、しかも1時間半くらいの小さな家出です。(だんなさまは車で出かけたと思っているみたいだけれど。)行き先をいろいろ考えて、駆け込んだのは本屋さんでした。
ばくばくの心臓を抱えて本屋さんへ入り、しんと静かな本の森に身を潜ませると、不思議とすぅっと高ぶる心臓が静まっていきました。CDを見ようかな、と思って来たけれど、予想外にさびしくなったCDのコーナーに、ふらふらとあてもなく歩きながらたどり着いたのは絵本コーナーでした。いつも子供連れのお母さんたちでにぎわう場所も、この日はなぜか誰もいなくて、絵本コーナーを独り占めすることができました。そこで手に取ったのが「Where The Wild Things Are」の絵本。何気なく手に取った本の最初の一行を読んだとき、絵本の中のwolf suitを着てかいじゅうたちのいるところへ出かけていく主人公のMaxが、家を飛び出してきた自分と重なってどきりとしました。Maxがかいじゅうたちのところを後にして、再びお部屋に戻ったのを見届けたころには私の家出の理由も消えて、私も家へと帰りました。
 家の扉の前に立つと、お昼ごはんを作るいいにおいがこぼれていました。ドアを開けると、絵本とかいじゅうのぬいぐるみを手に帰った私を不思議そうに見つめる我が家の男性たちがいました。その理由の秘密とともに、一時間半ほどの小さな家出から帰った今は、大きな冒険を終えたような気持ちでした。
 もし、またいつか家出をすることがあったら、やっぱり本屋さんに行こうかな。
by cinnamonspice | 2010-04-06 10:05 |