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ビスケットの缶

あな

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谷川俊太郎さんと和田誠さんの「あな」の本は小人のお気に入りの一冊。
男の子の心を掴む一冊かもしれません。

興味深い番組を見ました。
モンゴルで穴を掘って金を採掘する貧しい遊牧民たちの話のドキュメンタリー。
夏の間、大規模な採掘場の脇の平原に住み、毎日体ひとつで穴に入って金を掘り続ける遊牧民の家族。朝、日が昇るとすぐに自分たちの穴に入り、採掘をして彼らが出てくるころにはとっぷりと日が暮れている。金が採れる日は少ないけれど、毎日もぐっては掘って…暗闇の中で一日、そして夏をすごす。そんな彼らの姿を見ていたら、安部公房の「砂の女」の話を思い出しました。思いがけず毎日砂かきをして暮らす砂の女の住まいでの暮らしを始める主人公。
村人たちによって砂をかく暮らしを余儀なくされる主人公と、寒波で家畜を失ったことで金の採掘に暗い穴へと入る遊牧民の男たちの姿が重なりました。
不条理さとひんやりと冷たい穴という世界が混ざり合って、不思議な世界を感じました。
by cinnamonspice | 2009-07-13 01:40 |