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ビスケットの缶

おへやのなかのおとのほん

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マーガレット・ワイズ・ブラウンの作品は、絵本の中に耳をそば立てたくなるような絵本ばかり。
すてきな音が詰まった一冊。

一週間ほど前から風邪を引いていました。ちょうどそのころ、手にしたのが「おへやのなかのおとのほん」。病気になったこいぬのマフィンが、お部屋でまあるくなっていると聞こえてきた家の中の音のお話。
お昼寝の弟小人と一緒に読んでいたら、小さい頃、風邪をひいて寝込んだときのことを思い出しました。布団にくるまってじっと横になっていると、いつも何気なく耳にしている家の中の音がいろいろ聞こえてきたっけ。夕飯時、子供部屋の下にあったキッチンで夕飯の支度をする母のパタパタと動き回る音やお米を研ぐ音、食事が出来上がって母が寝ている私以外の家族を呼ぶ声や、みんなで食卓を囲む器がぶつかる温かい音、家族の低い話し声などが、階下から別世界の出来事のように甘酸っぱく聞こえこと。自分だけぽつん、と忘れられてしまったような孤独感にかられたこと。絵本の中のマフィンは最後に自分の部屋にみんながやってくる足音を聞きます。みんなマフィンのことを心配に思っていたことを知るマフィン。
マフィンと一緒に大切なものを見つけたような気がしました。
by cinnamonspice | 2008-11-04 07:17 |