ビスケットの缶

カテゴリ:本( 64 )

雨降りと読書

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この冬はあたたかくて雨もほとんど降らなかった。
この一週間、時計を巻き戻したみたいに冬の終わりのような天気が続いている。
肌寒く、風も冷たく、久しぶりに雨が降った。
深刻な干ばつのカリフォルニアには恵みの雨だ。
足元から冷え込んで急に昼間も緑茶が恋しくなり、たい焼きをはふはふ言いながら頬張る。

ことしはLAでは3月ころに30度を超える夏日が続いたり、季節が乱れている。
世界中で大きな地震があって、火山の噴火があって、異常気象が続いている。
もちろんそれは昔からの自然の営みや気候の変化もあるけれど、私が子供のころを思うと何かがおかしいと思う。

雨の日が続いて、遠藤周作の「砂の城」を読んだ。
予想外にさわやかな青春小説。
さわやかだけで終わらないラストが印象的だった。
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by cinnamonspice | 2015-05-17 04:22 | | Comments(0)

楽しいをみつける

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私が夢中になっているのは豆餅あんぱん。
でも、たまごが好きな王さまではなくて、
豆餅あんぱんが大好きなお母さんのお話ではごろが悪いですね。

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豆パンの中に大福が入ったような感じです。

“どこかにいるかもしれないし、いないかもしれない、王さまの話です。”

“べんきょうが大きらいで、あそびが大すきな、王さまの話です。”

“たまごのすきな王さまの話をつづけましょう。”

こんな書き出しで始まる、ぼくは王さまシリーズのお話が弟小人が今夢中になっている本です。
こんな楽しい書き出しに、私も子供のころ、夢中になって読みました。
たまごとチョコレートが大好きで、注射がきらいで、わがままでいばりやで、ほしがりやでわすれんぼう。
どこかの誰かに似てませんか。
弟小人は自分と重ねるのか、そんな王さまの話が大好きです。
王さまがわがままを言えば笑い、王さまが失敗すれば笑い、大臣を困らせれば笑い、やりたい放題の王さまに声を上げて笑うほど。
おやすみの本も、ほかの本だと2行で眠ってしまうのに、王さまの話だと眠りません。
もっともっと、とせがむほど。

子供は素直、おもしろくないお話にはそっぽを向くし、弟小人の場合は眠ってしまう。
そういえば、以前にお友達から言われた言葉を思い出しました。
王さまと同じく学校の勉強も好きじゃない弟小人のことを話したら、
「それっておもしろくないからじゃない?」
と言われたのでした。
本も勉強も、おもしろい、に出会うことが大きな鍵なのですね。
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by cinnamonspice | 2015-04-19 10:45 | | Comments(2)

ママの本、小人の本

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病院からいただいた手術のしおりの当日の持ち物に"good book"と書かれていた(こういう心遣いがあたたかい)ので持っていった。
経験上、旅や病院には長い(重くて暗いテーマの)小説は向かないと思う。

小人たちの春休みが始まった。
小人が見たいと言った映画を二つ見た。
「Song of the Sea」
「Maleficent」
「Song of the Sea」は、ケルトの古代神話にふれた小さな兄妹のお話で、切ない物語に泣き虫なおにいちゃんはもとより(私も)、弟小人も思わず泣いてしまったと言っていた。
「Maleficent」は、眠りの森の美女の物語の魔女の話とは聞いていたけれど、その悪い魔女となる悲しい背景や、オーロラ姫に対する憎しみから母性(愛情)へと変わっていくマレフィセントの心の動きに胸がいっぱいになった。(私も含め悪役好きにはたまらない作品)アンジェリーナジョリーの人間離れした美しさと強さが印象的だった。
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小人が読んでいる本。
学校のブックフェアで、「ふくろうの表紙がかわいい」と私がつぶやいていたのを覚えていたらしい。
Newbery Medal Award Winner Book

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by cinnamonspice | 2015-03-22 15:01 |

はてしない物語

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暑い日が続いたのでおやつにコーヒーゼリーを作りました。

 おやすみの本に小人たちと『モモ』を読み終えて、今は『はてしない物語』を読んでいる。私も小学生か中学生のころに読んだように思うけれど、すっかり忘れてしまっているので、小人たちに読み聞かせながら本の中のひとつひとつの出来事が新鮮に感じる。思い出すのは当時は、「虚無」の存在を理解するのが難しかったということだ。
 物語はこんな風に始まる。10歳のバスチアンという少年(小人と同い年!)は、いじめっ子の友達から逃げ込んだ古本屋で、気難しい店主と出会う。店主から逃げ込んできた理由を聞かれて話すうち、バスチアン少年はスポーツもできないし、弱虫で、臆病のいじめられっ子で、頭もよくないし、店主から全然取り得がないと言われてしまう。(ここで思わず小人たちと笑ってしまったが、よりいっそうバスチアン少年に共感した。)しかも、彼はお母さんを亡くし、それ以来お父さんの心も失くしてしまっていた。その彼が店主が読んでいた『はてしない物語』の本に心から惹かれ、ついに盗んでしまう。そして、こっそり読み始めた本の中のファンタージエンという国では、その国のお姫様の不可解な病気と『虚無』という現象に、バスチアンと同じ10歳くらいのアトレーユという少年が勇士として選ばれ旅を始める。
 そして、今日読んだのはアトレーユが『憂いの沼』を旅するところだった。アトレーユはここで愛馬アルタクスと悲しい別れをする。(読みながら、私も思わず目頭が熱くなる。小人は枕に顔を伏せていた。)その後、アトレーユは一人でモーラというおじいさんカメに出会う。このモーラが私はとても興味深かった。ずっと一人きりのあまり自分に向かって、「ばあさんや、」と話しかけるモーラ。(モーラの台詞は思い切りおじいさん声で読む。)
「どうして死んではいかんのかね?」
「何もかも、環になってぐるぐるめぐっておる。」
生きることも死ぬことも同じ、どうでもいいこと、と話すモーラの言葉は深い。小人はモーラが自分に「ばあさんや、どう思う?」と相談するところや、きまぐれなおじいさんぶりが面白いらしく、くすくす笑っていたけれど、年を重ねた私は『生』をもとめる少年や彼の正義感も、モーラの枯れた気持ちも、どちらの気持ちもわかるように思えて二人の会話にしみじみとした。
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by cinnamonspice | 2014-07-15 15:59 | | Comments(5)

男子化

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私は、男か女かといわれると、男だと思う。
家の中に3人の男性たちがいるけれど私が一番男らしい気がするし、夫婦も男女逆で、きめ細やかにいろんなことに気がつき、のんびり丁寧なだんなさまはどちらかというと女性的だと思う。

学生のころから、好んで読むのは男性作家の小説ばかり。たまに女性の作家のものも読むけれど、繰り返し読むのは、しっくりと心になじむ男性の作家のものだ。だめな男性の主人公に弱い。(自分と重なる。)
最近は雑誌の好みも男化しつつある。男性の家のインテリアは、一見がらくたのようで、宝箱のように夢や物語が詰まっていておもしろい。隅々までじっくり眺めてしまう。最近読んだ、この2冊も読み応えがあった。
このまま男子化が進んでいきそうな予感がする。
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by cinnamonspice | 2014-07-14 13:48 | | Comments(0)

Capote

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図書館から借りたTruman Capoteの短編集を読んでいる。
表紙の鋭い光のある視線をなげかける青年がカポーティその人自身と知った。
学生のときに、授業で名前は何度も耳にしていたが、実際に本を手に取ったことがなかった。映画『ティファニーで朝食を』のイメージが強かったからだ。あらためて、カポーティの本を手に取るきっかけになったのは、その作品のタイトルだ。今読んだものも、
『Shut a Final Door』
『The Walls are Cold』
音の響きも歯切れがよく、どれも詩的でかっこいい。
最初の作品「Miriam」のラストは煙のように漂う「死」の余韻を感じた。
19歳のときに書いたと知り驚いた。
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by cinnamonspice | 2014-07-11 02:20 | | Comments(0)

The Dark

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暗がりが怖い弟小人に、学校のBook Fairで買った本。
暗がりが怖いLazloという男の子が主人公のお話。

 車を運転していると、小人がふいにたずねました。
「ママ、ブラックホールに入ったらどうなるの?」
「太陽は何で明るいの?燃えているの?
爆発したりしないの?
いつ爆発するの?」
どうして坊やも最近レベルが上がって困ります。

 いろんなことにこだわりのある小人は、自転車に乗るときは「ちょっと待って。」と、自分の部屋へ駆けて行って、ウエストポーチを着けて(中には好きなもの、キャンディやおもちゃが入っている)、ジーンズのときは動きやすいパンツに履き替えて、はだしのときは靴下を履いて紐靴を履いて乗ります。弟小人ははだしでビーチサンダル。性格もいろいろ。
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by cinnamonspice | 2013-09-17 16:37 |

Tikki Tikki Tembo

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小人が学校から借りてきた本は、「Tikki Tikki Tembo」。
古い中国の言い伝えの物語。

 昔、中国では長男には長い名前をつけることが多く、次男には名前をめったにつけることがなかったのだそうで、それにならった主人公の長男の男の子の名前は「Tikki tikki tembo-no sa rembo-chari bari ruchi-pip peri pembo」(世界で一番すばらしいものの意)、次男は「Chang」(小さい、なんでもないものの意)とつけられました。二人はいつものようにお母さんの洗濯について行くと、お母さんから「古い井戸には近づかないように」という言いつけを忘れて井戸の周りで遊んいました。そして、ついに弟が井戸に落ちてしまいます。それを知ったおにいちゃんはお母さんに知らせると、お母さんからはしごを持っている村の老人のところへ行くように言われます。そして、弟は救われますが、また数ヵ月後、今度はお兄ちゃんが井戸に落ちてしまいます。弟はやはりお母さんに知らせに行きますが、お兄ちゃんの長い名前が災いしてなかなか伝えることができません。そして…
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美しい中国の雰囲気のある挿絵。

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by cinnamonspice | 2013-04-28 14:31 |

LITTLE PEOPLE IN THE CITY

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予定のない日曜日、散歩にAbbot Kinneyへ出かけました。
小人たちに、コロボックルの話を思い出すような小さな人たちの本を買いました。
表紙の写真のタイトルは“They're not pets, Susan”。
フィギュアのゆるりとした空気と、巨大な蜂をしとめたお父さんの張り詰めた空気のコントラストがたまりません。
では、小さな人たちの世界を少し覗いてみましょう。


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by cinnamonspice | 2013-03-18 10:17 |

Did I Ever Tell You How Lucky You Are ?

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週末、お友達のおうちに招かれていくと、サプライズでお誕生日をお祝いをしてくれました。
だんなさまと私に映画のチケットと、一緒に入っていたのは、ご夫婦が最近出かけたメキシコ、ロスカボスのお土産の鳥。
小さな陶器の鳥を窓辺に飾りました。

 アメリカではとても人気のあるDr. Seussの絵本を初めて読んだのは、小人たちがPreschoolで先生に読んでもらった「ABC」の本がきっかけでした。絵は正直なところ好みではないし、make senseしない不思議な世界にとまどう私をよそに、小人たちは英語のrhymeにくすくす笑いながら、不思議な世界をすんなり受け止めていたのでした。そんな私も、小人たちに頼まれて、何度も読んでいるうちに、肩の力を抜けばいいんだと少しずつ楽しさがわかってきました。
 再び彼の本を手にとるきっかけになったのは、少し前に、「Lorax」の映画を見てからでした。映画の原作を読んでみようと買った読み聞かせのDr. SeussのCDを、毎晩のように聞くようになりました。その中で、特に小人がすきなのが「Did I Ever Tell You How Lucky Yor Are?」のお話でした。

When I was quite young
and quite small for my size,
I met an old man in the desert of Drize.
And he sang me a song I will never forget.
At least, well, I haven't forgotten it yet.

He sat in a terribly prickly place.
But he sang with a sunny sweet smile on his face.

When you think things are bad,
When you feel sour and blue,
When you start to get mad...
you should do what I do!

Just tell yourself, Duckie,
you're really quite lucky!
Some people are much more…
oh, ever so much more…
oh, muchly much-much more
unlucky than you!

- Dr. Seuss

 ここからお話は始まって、次から次へとトラブルが起こる橋の建設現場で働く人お話や、 32年間もアイルランドのアヒルにJivvaneseを教えている教授の話など、不思議の世界で大変な思いをしている人たちを例に挙げて、ほらね、彼らのことをおもったらあなたはluckyでしょう?と話しかけています。

 息つく間もなく続くおまじないのような言葉のリズムを聞いているうちに、大人も子供も思わずくすくす笑顔になります。心が晴れないとき、風邪で起きるのもつらいとき、そっと心にあたたかい風を吹き込んでくれる絵本なのだと思いました。
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by cinnamonspice | 2013-02-08 03:30 |