ビスケットの缶

カテゴリ:すきなもの( 239 )

深呼吸

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ベッドサイドに植物をかけました。
なんだか一緒に呼吸している感じがします。
心がざわざわするほど、口内炎が増え、白髪が増え、植物が増える(笑)気がします。

 小人の体調を心配したじいじから電話がかかってきた。昨日、病院へ連れて行ったことを電話で伝えてはいたものの、その後の経過を気にかけて再び電話をくれたのだった。
 小人の場合、普通の風邪でも、普通には直らないことが多い。(本当は飲ませたくないけれど、結局最後は抗生物質の力を借りないと治らない。)連日、熱が上がったり下がったりするうちに、おとといの夜、突然熱がまた上がり、小人の小さな胸がひゅうひゅうと音を立て始めたとき、二年前のように「肺炎」という文字や「入院」という文字が見えてパニックのような状態になってしまった。母親とは大きな木だと思う。立派な幹のお母さんになりたいけれど、自分ひとりの体もやっとの幹で二つの小人という大きな枝を張ってしまっている小さな木の私は、時に抱えきずに折れそうな気持ちなる。そんな頼りない木の上に暮らす小人たちが不憫に思えてこらえきれず実家に電話をかけた。父が出て、やがて出先から戻った母から電話があった。電話の向こうで、屋久杉のような大きな母という木が私を受け止めてくれた。
「最初から立派なお母さんなんていないのよ。」
母親になってもう10年、いつになったらりっぱな母親になれるのだろう、とぼんやり考える。

 電話の向こうの父に、病院でいただいた抗生物質が効いてよくなったと伝えると、
「そうかぁ、よかったなー。いやぁ、よかった。またなにかあったら電話しろな。」
と、安堵が体の底からこみ上げるように何度も何度も繰り返すようにつぶやいた。じいじ(父)の体のほうがしんどいのにね。心配ばかりかける娘の自分を心から反省した。

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by cinnamonspice | 2014-09-24 13:46 | すきなもの | Comments(10)

読書のスイッチ

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お友達に教えてもらったCarmela Ice Cream。
中でも、大好きなのはLavender Honeyと、Earl Grey Teaのフレイバー。
どちらかひとつではなくて、このセットが特においしく感じます。
最近では、ラベンダーの香りをかぐと、おいしそうと思うほど、一度食べると忘れられない味。
今週のお友達のおうちでのランチのデザートに持っていく予定。

本を読んでいると、小人がやってきて、
「何を読んでいるの?」
と、尋ねた。本をあまり読まない小人が本に興味を持ってくれた。しめた、と思った。先日読んだトルーマン・カポーティの短編集から何編か、村上春樹が訳をしたものが日本から届いたので、それをあらためて日本語で読みなおしていた。そのときは、小人と同じくらいの年の少年が主人公の「感謝祭の客」という話について簡単にあらすじを話して聞かせた。
「今日の夜は、ママの読んでいる本から、お話を読もうか。」
小人たちに聞かせるのにちょうど、いいお話があった。甘すぎてもいけないし、悲しすぎてもいけない。「クリスマスの思い出」というお話を読んだ。主人公の7歳の少年(おそらくカポーティの少年時代に重なる)とスックという年の離れた60歳くらいのおばあさんとの甘いクリスマスの思い出のお話だ。二人の交流がランプの明かり越しに見る景色のようにとてもあたたかくそしてまぶしく、そのまぶしさに胸がぐっと掴まれるすてきなお話だ。小人たちも真剣に耳を傾けてくれた。とくにリスのフライのご馳走のくだりには、小人たちも興味津々だった。自分たちで切り出してきたもみの木に飾りつけをするシーン、クリスマスの朝、家族を起こすのにスックがわざとやかんを落としたり(!)、少年がみんなの部屋の前でタップダンスをするシーンにも目をきらきらさせていた。子供向けの本だけが子供の本じゃないのかもしれない。何が小人たちの読書のスイッチを入れてくれるか、わからないのだから。
+++
個人的には「あるクリスマス」というお話がとても好きです。
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お店のマークもかわいいのです。

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by cinnamonspice | 2014-09-23 14:55 | すきなもの | Comments(0)

秋もすぐそこ

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どれもかわいらしくて、優柔不断のためひとつが選べず購入した小さなバケツ。
鉛筆やペンなどを入れて小人たちの机に置きました。
宿題をするときに、持ち運びも簡単なのもなかなか便利そう。


 ぱたりと暑さが止んで、10度も気温が下がった。高熱に苦しむ小人だけでなく、私たちも猛暑という熱からさめたようなほっとした気持ちになる。
 楽しい予定が詰まった週末、弟小人は最近始めたサッカーチームの試合や、友達と焼肉の会(夜遅くまでプレイデート)にと満喫する一方で、小人は家でママと留守番。私と一緒に映画を見たり、本を読んだりして、いつにもなく二人きりの静かな時間をすごしている。小人は元気なときは「ママ、知っている?先生がね…」「ママ、こんなおもしろいマンガがあるんだよ。」と、おしゃべりで、熱が上がると弱った動物のように一人で静かにベッドへこもりに行く。(わかりやすい。)たちまち食欲も落ちて、うどんの汁一口も食べれなくなる。寄せては返す波のように、熱は上がったり下がったりを繰り返しながらも、少しずつ元気になりつつある。弟小人のサッカーチームの練習で出かけた公園の、風に揺れるすすきの金銀が美しく目に映った。秋もすぐそこ。

見た映画
・The Lost Thing
・Wolf Children
・Honey, I Shrunk the Kids

 
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by cinnamonspice | 2014-09-22 09:33 | すきなもの | Comments(2)

美しい時間

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お茶の道具を見ているとき、在廊されていた安藤さんともはじめてお話させていただいた。
作品そのままの、とても穏やかなおしゃれな方だった。

 Abbot Kinneyへ、安藤雅信さんの個展を見に行った。カード(写真上)に載っているいるまるい落雁のようなおいしそうなもの、銀彩や鉄彩、さまざまな質感のオブジェやボウルなど、とてもすてきな空間だった。棚の上や床にぽつんと広い空間においたらすてきだろうな、空想が膨らむ。我が家には残念ながらそんなスペースはないので、空想だけで楽しむ。中でも、とてもすてきだったのは、野点のお茶のセットだった。小ぶりのシェーカーボックスに茶せん、茶せん立て(陶器でできた1センチほどのおなべの蓋のような形のもの)、金属製のソルトスプーンのような形の茶杓、小さな木製のなつめ、茶せん入れ、金属製の茶巾入れ、手にやさしく収まる茶碗、ひとつひとつがまめまめしくてとても機能的にできていて、本当にすてきなセットだった。
 安藤さんとお話をしたときに、私もシェーカーボックスにお茶の道具を入れていると話した。私のは野点用ではないのですべてが大きくて、銭湯に行くお風呂セットのように、持っているとことこと、と楽しい音がする。安藤さんのもののようなすてきなものではないけれど、ひとつひとつこだわりをもって選んだものなので、その楽しい音とともに気に入っている。本当は安藤さんのものをご紹介したいのだけど、カメラを持って行くのを忘れてしまったので(本当に残念)、お見苦しいけれど、私のものをご紹介。
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お茶セットが入ったシェーカーボックスは普段はリビングに飾りながら置いています。
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箱を開けると、こんな風に収まっています。
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茶碗の下には、以前自分で作ったこぎん刺しのマット、すす竹の茶せんと、茶碗は浅井純介さんのカフェオレボウル。
白と黒を持っているので、冬は黒を使ってみたりします。


安藤さんのものを見てみたいという方はぜひ、exhibitionへ足を運ばれてくださいね。
展覧会は9/5~9/28迄開かれているそうです。
今日(9/7)の17:00~20:00にレセプションパーティが開かれているそうです。

TORTOISE GENERAL STORE
1208 Abbot Kinney Blvd
Venice, California | 90291
Tel/FAX. 310-314-8448

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by cinnamonspice | 2014-09-08 09:57 | すきなもの | Comments(4)

夏のあれこれ

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ブライスキャニオンロッジの部屋の窓。
フレームで切り取られた緑が牧歌的で美しくて心に残りました。


この夏、読んだ本と小人たちと見た映画など覚書。
長い夏休み、ずいぶん遠い記憶になりつつあります。
映画は、古いものを親の懐かしさも含めて見せているものもいくつか。少しずつ、共有できるようになって来たのがうれしい。

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by cinnamonspice | 2014-09-04 14:20 | すきなもの

お別れ

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小人たちが通った週末の日本語の補習校を今学期で辞めることにした。
明日が夏休み前の最終登校日。
大人の理由はいろいろあるけれど、長く通った小人はやはり少し寂しいようだ。
やめることを伝えたとき、ガッツポーズをする弟小人の横で、
「お友達にカードを書いてもいい?」
と小人が聞いた。
「もちろん。」
と、答えた。
いつも、一人一人に異なる絵を描く小人のカード。
私だったら同じにしてしまうのに、という思いは胸にしまう。
「仲良してくれてありがとう。
夏体み楽しんでね。」
ところどころの誤字脱字にきゅんとした。
さようならの文字はなかった。
夏を楽しむエッグマンたちがたくさん描かれていた。
小人らしいお別れのカードだった。
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by cinnamonspice | 2014-07-19 13:45 | すきなもの | Comments(0)

境界線

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小さいころ、母が毎晩、本の読み聞かせをしてくれた。
きまって一番最初に寝るのは兄(最初のページで眠ってしまう)、その次が私、そしていつも姉は最後まで起きていて、その本を何度も読んでそらで言えるほどなのに、「もっと、もっと」と言って眠らなくて母を困らせたのだと母は口癖のように言う。
兄弟3人みんなが大好きだったのは「くまの子ウーフ」の本。
「ウーフの朝ごはんは、パンとハチミツとめだま焼き。」
いつもそのくだりを呪文のようにみんなで声を合わせていたっけ。
その神沢利子さんに、小学生のころ兄弟3人で手紙を書いたことがあった。(私は幼稚園か小学1年生くらいだったから覚えていない。)とても有名な作家の先生だから、「ご返事なんて、いただけないだろう」と母は思っていたそうだが、しばらくして兄弟3人それぞれの名前宛に、先生の美しい直筆の葉書のご返事が送られてきたのだと、その話をするたびに母は感動しきりに言う。
その神沢利子さんはもうすぐ90歳になるそうだけれど、現役で新聞に連載をもたれていて、最近その記事に
「毎日、とろとろと眠っては目を覚まし、またうとうと眠ってという風に暮らしている。
年を取るとは、そして死に近づいていくというのはこういうことなんだなと思う。」
という内容のことを書かれていたと母が話してくれた。その言葉を聞いて、目の奥が熱くなった。年を取るということは、生と死の境界線がぼんやりとしてくることなのかもしれない。ふと、「はてしない物語」のカメのモーラのことを思い出した。夢の続きのように、眠るように静かな最後を迎えることができたら、本当にすばらしいことだと思う。自然の流れにあらがうことなく、自分の最後をそっと受け入れる、私もそんなおばあちゃんになりたい。
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by cinnamonspice | 2014-07-18 05:04 | すきなもの | Comments(0)

heartbeat

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朝の光を受けるみずみずしい緑からエネルギーをもらいます。

朝、私たちのベッドにもぐりこんできた弟小人が、私の胸に耳を当てて、弾けるように飛び起きると、
「ママの心臓がね、ゴン、ゴン、って言っている。」
と目を丸くした。次に小人の胸に耳を当てて、
「小人くんのは、トク、トクだって。」
だんなさまのは、
「ドック、トク、ドック、トクって言っている。」
みんなそれぞれの命の音。
それにしても、ママの心臓の音が誰よりも男らしいのが気になるところ。
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by cinnamonspice | 2014-07-09 11:51 | すきなもの | Comments(0)

今日という日

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「今日、今、このときから人は生まれ変わることができる。」
どこかで読んだ言葉を思い出した。
メモ魔(この音の響き、おもしろいですね。)になろうと思い立って、ノートを買った。
毎日持って歩きたいから、小さなものがいい。
小さな贅沢とMoleskine社のものを選んだ。
水のように流れてしまう毎日だから、
小さなメモを取っていこう。
振り返ったら不思議な走り書きで、ノートをいっぱいにできたらいいと思う。
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by cinnamonspice | 2014-06-07 05:46 | すきなもの | Comments(2)

怖くないよ、怖くないよ。

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ママにだけ心を許すのです。

犬も人間と同じでいろんな性格の子がいる。お友達の家のチワワはとても怖がりで、ママ以外には心を許さない。シェルターからもらわれたので、もしかしたら過去に人間との間に何かがあったのかもしれない。誰かが来るとダイニングテーブルの下に入ってそこから吠える。大きな音はもちろん、小さな音がするだけでびくっと飛び上がるし、人のそばには近づかない。でも、本当は撫でて欲しいし、誰かのそばにいたい。小さな体からそういうメッセージが伝わってくる。怖がりな子だから、私も遊びに行ったときは、こちらからは近づかないようにしている。でも、おうちへお邪魔するたびに、少しずつ距離が近づいているように感じる。少しずつ、少しずつ。控えめに尻尾を振りながら近づいてくるようになった。でも、撫でようとすると怖いのかするりとかわして逃げていく。そういう繰り返し。怖がりの女の子と恋の駆け引きをしているみたいな気持ちになる。お互い意識しているけれど一歩が踏み出せない。
「怖くないよ。怖くないよ。」
わからないかもしれないけれど、言ってみる。姉妹のもう一匹のわんちゃんは人懐っこいので、そのわんちゃんを撫でているとそのそばで、うらやましそうに控えめに尻尾を振っている。その姿を見ると胸が苦しくなる。
 その彼女が、昨日、初めて私のそばでおなかを出してごろりんと寝転がった。ほんの一瞬のことだった。
「怖くないよ。怖くないよ。」
そうっとおなかをなでたら、うっとりと目をつぶった。
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by cinnamonspice | 2014-06-01 01:01 | すきなもの | Comments(2)