黒の漆器
薄いリムの口当たりが煎茶に合うことに気が付いて、最近はもっぱらこの蕎麦猪口で。
鎌倉の骨董屋さんで見つけた漆器はぷっくらと厚みのある木に惹かれて手に取りました。手に乗せたときの重さもちょうどいい重さ。お店の人に伺ったところ、江戸時代末期から明治ころのものとのお話。ぴかぴかの漆を前にすると少し緊張してしまうけれど、月日を経て優しい黒の漆は温かい気持ちにしてくれます。我が家にもすぅっと溶け込んでくれるのでは…と、お店に並んでいた二客を迎えることにしました。この器に乗せたいなぁと頭に浮んだのはお干菓子だったけれど、お正月にも活躍してもらえそうです。鈴のような姿がかわいらしい、両口屋是清の"二人静"を乗せてだんなさまとお茶をしました。これまではあまり飲まなかった煎茶もおいしく感じるようになったのも、二人とも歳を重ねてきたということなのかな。
LAに帰ってきて車から見かけた古い建物の白い窓枠。時を経てペンキも取れた部分から下の金属が所々見えていたけれど、繊細な細い窓枠に少し厚みのあるガラスが今のものにはない美しさでした。古い美しいものが詰まった鎌倉もいつかまた、じっくりと出かけたいな。
by cinnamonspice
| 2007-11-30 10:54
| おかいもの