ビスケットの缶

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お花を活けるのは下手だけど、一輪挿しの静かなたたずまいが好きで花を飾らずそれだけで飾っています。少しずつ春。

お兄ちゃんは小学校3年生(日本では2年生)のとき、忘れ物がひどくて親子でとても苦しんだときがありました。
お友達が当たり前にやっていることができないということがいくつも重なって、自分のせいではないか、どこかに原因があるのではないか、とても悩みました。
毎日学校に行く前に、「宿題を今日はみんなと一緒にちゃんと出してこようね」と送り出しても一つの宿題を出してこれないことが一週間近く続いたり、帰りは学校からその日の宿題のプリントやテキストブックを持って帰るのを忘れる、連絡帳に宿題を書き忘れるような毎日でした。
お兄ちゃんはハワイで生まれたので、ハワイで波や鳥の声を聴いてすごした胎教のせいかいつでもハッピーな自由な子で、彼自身はいつも夢の世界を歩いていて(daydreamer)、私が叱っても10秒後には鼻歌を歌っている、そんな子でした。
私はそんな彼と学校という現実社会との間で何年ももがきました。
こちらが本気で叱れば、ヒステリーのようになって泣いて駄々をこね、最後は泣き疲れて眠ってしまう。でも彼の心には響かない、その繰り返し。
本を読むのが嫌い、字を書くのも嫌い、文章を書けば本人にしかわからない不思議ワールドで、提出したレポートの下書きも先生からはクエスチョンマークが並んで返ってくることもしばしば。
そんなお兄ちゃんが、熱病から治ったように5年生くらいから改善して、ミドルスクールに入ってからは本を読むようになり、宿題もいつの間にか学校で終わらせてくるようになり、提出物も自分で管理してきちんとできるようになりました。
英語のクラスでは自分の興味のあるものをためた胸の中のポケットからテーマを選んでレポートを書けるようになりました。
今は、あの時代は何だったのだろう、と吹き荒れた嵐の時代をだんなさまと時々振り返っては話すことがあります。
小さいころから好奇心だけは旺盛だったのが、今では彼にとってとても大きなエンジンになっていると感じます。

弟くんは今まだその嵐の中にいます。
子育てをしていていつも思い出す「北風と太陽」の話のように、周りの大人という北風が強く吹き荒れるほど子供の心は閉じてしまいます。
この間「Trolls」の映画を見ていて、ふと思いました。
そうか、弟くんはまだトロールなんだ、と。そう思ったら愛おしく思いました。
歌と虹とカップケーキの世界に住むトロール。
同じ方法を試すのではなく、今は別の角度からと、歌が好きな弟くんはピアノのクラスを取ることにしました。
生きていく上で音楽があったらきっと楽しいはず。
弟くんもいつかこの時代を笑うときが来るのかな。
楽しく生きることを学んでくれることが、私たち親の一番の目標です。
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お兄ちゃんがミドルスクールのdigital photographyのクラスで作った「Tokyo」という名前の作品。
彼の好きがたくさん詰まっている、それを眺めているだけで幸せな気持ちになります。
うどん!





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by cinnamonspice | 2017-02-23 10:47 | Comments(2)
Commented by cloversdesign at 2017-02-23 15:30
子育てって、今考えると楽しい思い出しか浮かんでこないけれど。
当時はいろいろ悩みましたね、(今もか?)うちも長女は不思議ちゃんなところがあって
4歳くらいまで、言葉も遅かったし、かと思うと今はとんでもなく語彙をもってたり
その当時の話を大人になった娘と話をするのですが、パパとママと違う言語で育ったからか?
自分なりに悩んでいたようです。そして小さい頃から何で私はこんな顔なんだろう?とか
鏡をみて思っていたそうです。また当時の自分を蹴り上げてやりたいとも(笑)

この’子育てでほんとにいいんだろうか?この子は大丈夫なんだろうか?
それは親だからこそ思うので、子供はちゃんと成長して行くんですよね
私が子育てでしんどかった時に近所のおばあちゃんから、放任でも大丈夫
夫婦仲さえよかったらそれで悪い子にはならんよ、といわれたのが印象に残ってます。
ほんとにそうですね。
Commented by cinnamonspice at 2017-02-24 07:21
+cloverさん+
こんにちは。
クローバーさんも子育て中にそんな葛藤があったのですね。
人は苦しいことや悲しいことは忘れるようにできている、というけれど、本当にそうですね。
大変だったとは思うものの、具体的にどうだったかはだいぶ忘れてしまっていることに気が付きました。
クローバーさんの娘さんの葛藤は、その年に抱えるにしては大きなテーマでとても大変だったでしょうね。
自分の親を見ていて、親ってもっと確信をもって子育てをするものだと思っていましたが、自分が親になってみると本当に風にもてあそばれる凧のようになんとも頼りなく感じます。
それでも、夫婦仲さえよければ、放任でも大丈夫、心強い言葉ですね。
人の根っこを育てるのはそういうところということでしょうか。勇気をもらいます。ありがとうございます。