ビスケットの缶

夜の砂丘

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夜、砂丘へ星を見に行こう、とだんなさまが言って、とっぷりと闇に包まれた道を車を走らせてMesquite Sand Duneへ行った。
当たり前だけど、砂丘は昼間と同じ場所に夜もひっそりとあった。
でも、消えてしまっているんじゃないかと思うくらい、そこだけぽっかりと浮かんだ砂丘は幻想的な景色だった。
すっかり日は沈んだけれど、山の際はまだほんのり薄い青で、濃紺の上空とグラデーションを作っていた。
満点の星空の下、昼間よりも砂丘が美しく感じた。
昼間あれほど熱かった砂はひんやりと冷たく、さらさらと心地よい。
小人たちは砂の上に座って、星空を見上げた。
「砂を掘るとあたたかい」
小人の声に、砂を掘って触れてみる。
昼間は熱い砂を掘ると中は冷たく、夜はひんやりと冷たい砂を掘るとあたたかかった。
自然はこうして調整しているんだ。
弟小人がレンジャーにどうしたらさそりを見れるか聞いたときのことを思い出した。
“昼間あたたかかったところに日が暮れて座っていると会えるわよ、で、もし会ったら私は逃げるわ。”
どうやら弟小人もそのことを思い出したらしく、座っていたけれど立ち上がった。

「僕、オリオン座見つけた!」
「僕、北斗七星を見つけた」
兄弟で競い合うように星座を見つけた。
「北斗七星は、フライパンみたい。いや、ママが料理に使うレードルかな。」
小人がつぶやいた。
360度の満天の星空があった。
星っていくつあるんだろう。
宇宙へと吸い込まれそうな星空だった。

毎晩夜中の同じくらいの時間(2時ころだろうか)にコヨーテの群れの鳴き声が聞こえた。
二日目の夜はその鳴き声で目が覚めた。
キャンプサイトの裏のとても近くまで来ていた。
あと少しでも近くに来るようだったら様子を見に外にでようかと思ったほどだった。
コヨーテは悲しそうに鳴く。
コヨーテはなんで鳴くのだろう。
仲間を呼んでいるにしてはあまりにも悲しそうに聞こえる。

昼間、キャンプサイトのしげみから、こちらのしげみに野うさぎが跳ねて行った。
その後、しばらくしてロードランナーがこちらのしげみに走っていった。
わずかな緑の中でいろんな動物が生きている。
昼間と夜と交代しながら。

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キャンプサイトには大きな木があった。
弟小人は木登りに夢中になり、小人は不思議な道を作っていた。
完成すると、
「王様の道なんだよ。」
と見せてくれた。
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小人は王様で、弟小人はプリンスとのこと。
王様の椅子とプリンスの椅子が並んでいた。
子供は遊びの名人。

長い間、Death Velleyのキャンプのお話にお付き合いいただきありがとうございました。
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by cinnamonspice | 2015-04-05 15:39 | キャンプ | Comments(0)