ビスケットの缶

流れ星を探して

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息も白くなるころ、コーヒーを淹れて暖を取りながら星を待ちました。

 いつか流れ星を見たいと思っていました。だんなさまは小さいころよく見たのだと話していました。視力はいいのに、これまで星がきれいに見られる場所やキャンプへ行っても見つけることができずにいる私は、このままきっと見ることはないのかもしれないとこの日も冗談交じりで話していました。
 早々と弟小人が眠りについて、キャンプでは珍しく、小人が一緒に遅くまでおきていました。夜が更けるにつれ、星の数が増えていきました。真っ黒な闇に数え切れないほどの星がちらちらとまたたいていました。焚き火を囲んで、迷子になりそうなくらいの満点の星空を見上げながら、流れ星を見たらどんな願い事をするか話していました。小人は、二つ願いごとがあって、
「料理が上手になりたい。」
「日記が早く書けるようになりたい。」
と、お願いするのだと教えてくれました。予想外な願い事でした。
だんなさまは、いたずらな笑顔を浮かべて、
「cinnamonさんが、流れ星が見られますように。」
と、願うのだと言いました。それは本心かどうか、なんて笑いながら話しているうちに、闇がすべてをすっぽりと包みこんで、ぱちぱちと燃えていた薪は砂金のような輝きに変わっていました。小人は、うっとりとその輝きと音に耳を傾けていました。
 そろそろ眠ろうというときに、ふと、まぶしい光の尾を引いて流れる星を見つけました。それは突然のことで、練習していた願い事はおろか、悲鳴のような歓声しか出ませんでした。隣にいた小人も、
「僕も見たよ!」
と目を輝かせていました。
しばらくして、だんなさまが
「ほら、そこにも。」
と指差しました。
みんな流れ星を胸に眠りについた夜でした。

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by cinnamonspice | 2013-08-16 13:38 | キャンプ