ビスケットの缶

音楽

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1700年代のwoodblock printの聖歌の楽譜。
赤と黒のコントラストと、手で刷られたぽこぽことした凹凸が美しくて手に取りました。
ラテン語はわからないけれど、部屋に飾るとそこから音楽がこぼれてくるような気がします。

「ママ、どうして泣いているの?」
先日、国際ピアノコンクールで優勝された辻井伸行さんのピアノの演奏を、偶然テレビで聴いたときのことでした。クラッシックに疎い私には、うまく説明ができない美しい音色でした。
 コンクール優勝後、開かれたドイツでのコンサートのときのこと。
辻井さんが舞台に上がると、この青年からどんな音楽を聞かせてもらえるのかと見つめる、耳の肥えた聴衆の痛いくらい鋭い視線と張り詰める空気、そして深い深い沈黙。聴衆の前に座ったものの、何度も座りなおしたり、鍵盤をなでたりなかなか演奏を始められない辻井さんは、沈黙の中のわずかな空気の揺れや温度や感情をも感じ取っているように感じました。そして弾き始めると、びっくりするくらいダイナミックでのびのびとした気持ちのいい演奏は、固く張った氷のような空気を一瞬にして溶かしてしまう魔法がありました。
 そして、最後に聴いたショパンの「子守唄」は、包み込まれるように優しく、繊細な音色とともに辻井さんが受けた深い愛がこぼれてくるようで、甘く胸に響きました。クラッシックの音楽も、演奏する人の聴いたもの、感じたもの、その人の心が表れるということを感じました。



「ママ、僕がいなくなったら泣いちゃう?」
「僕ね、ずっと、ずーっと、そばにいるからね。」
その日の夜。ベッドの中でそうつぶやいて、小人は夢の世界へ入っていきました。
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by cinnamonspice | 2009-07-05 00:11 | すきなもの